ストレングス&コンディショニングの基本のキ
エコゴリです。
最近、日大のアメリカンフットボール部の悪質タックル問題がかなりの注目を浴びています。コンタクト系スポーツの究極であるアメフト(アメフット)やラグビーでは、無防備でタックルを受ける危険性は半端じゃないです。
ストレングス&コンディショニングとは
スポーツチームには、選手だけではなく、様々な役割を持った人が関わっています。
チームを勝利に結びつけるための総合的な判断と監督責任を負うのが文字通り監督です。その役割を考えれば、今回の日大の一件は酷すぎますね。競技とは関係なく選手が、例えば犯罪を犯したとしても監督責任が問われる時代です。ましてや今回は競技中に起きた出来事であり、相手QBを潰せとの指示を言った言わないは関係ないでしょう。結果としてこのような事態が起こってしまったこと、起こる土壌を作ってしまったことの責任を負うべきです。
話が逸れました。
監督の他に、技術向上、戦術研究、そして体力向上などといった細かい役割を統括するのがコーチと呼ばれる存在です。この中でも体力向上の役割は、最近S&Cコーチと呼ばれます。ストレングス&コンディショニングコーチです。
スポーツにおける「コンディショニング」という言葉はなんとなく理解できると思いますが、「ストレングス」という言葉はあまり聞きなれないかと思います。
スポーツや日常生活における身体的パフォーマンスの改善のためには、筋力、持久力、柔軟性、バランス、敏捷性、スピードといった基礎的な身体的能力の向上や改善のための積極的で計画的な働きかけ、すなわちコンディショニングが重要であるということは、広く知られていた。
出典:ストレングス&コンディショニングⅠ理論編
ストレングス(strength)とは、すなわち筋力のことです。
今でも、スポーツ選手やコーチのインタビューなどで「コンディションを調整する」といった言い方をよくしますよね。上記引用のように総合的な体力を調整するといった意味です。
しかし、日常生活においても筋力の重要性というものが広く認知されるようになり、ましてや日常生活よりも身体に負荷のかかる活動であるスポーツを実施する上で、筋力というものの重要性はコンディショニングの一要素では捉えきれなくなってきたのです。
そこで、これまでコンディショニングの一要素であったストレングスを独立させて、ストレングス&コンディショニングという言い方をするようになったのです。
ストレングスとは
ストレングスは以下のように定義されます。
筋肉が外部抵抗に対抗して力を発揮する能力、すなわち筋力のことである。
出典:ストレングス&コンディショニングⅠ理論編
日本のスポーツ界においては、筋力の重要性がまだまだ軽視されているように思います。未だに、筋力トレーニングよりも競技の技術的トレーニングばかりを重視し、変な方法論がはびこっています。
技術向上のみを極めれば無駄な筋肉など必要ない、といった精神論じみたものですね。
筋力トレーニングは、競技の技術的トレーニングとは切り離すべきです。
なぜなら、筋力とはスポーツの本質・土台だからです。
どういうことか。
それを理解するために、運動の第二法則として、以下の公式を見てください。
F=ma(力=質量×加速度)
質量が一定であれば、力(筋力)が大きければ大きいほど加速度が大きくなることが分かります。逆もしかりです。スポーツにおいて、加速度(スピード)というのは非常に重要です。
例えば、陸上競技です。
スプリント系の種目では、いかに身体を速く移動させるかが全てです。
投擲系の種目では、いかに速く砲丸や槍を投げ出せるかが全てです。
野球は、いかに速くバットを振れるかでホームランになるかどうかが決まります。
サッカーは、ボールを蹴る速さ、走る速さ、などなど、、、。
筋力がいかに重要か、この公式で説明できてしまいます。
筋力の向上は加速度の向上に直結するのです。
簡単なイメージとしては、同じ体重70kgの人でも、筋肉質で筋力がある人とぽっちゃりの筋力がない人ではパフォーマンスが違うのは当たり前ですよね?っていうことです。
ただ、筋力の向上にあたっては基本的に筋量の増加が伴うので、あまりに筋量を増やしすぎるとスピードが落ちる可能性があります。
そこは、各スポーツのパフォーマンスを最大化させるバランスを見極めることが重要です。
最後に
アメリカンフットボールやラグビーといった身体と身体がぶつかり合うスポーツでは、特にストレングスが重要です。競技力向上のためだけではなく、筋量の増加により身体を守る役割もあるからです。
今回の悪質タックルですが、当たり前ですが一般人が受ければ命の危険さえありました。
競技力の向上や今回のような事故を防ぐためにも、ストレングストレーニングを重視しましょう。
次回は、ストレングストレーニングについて説明します。
それでは。