果ての国まで何マイル

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米中貿易戦争は、これからの世界の自由貿易体制構築の分水嶺だ。

こんばんは。ecogori07です。

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不穏な株式市場

「米中貿易戦争勃発」というおどろおどろしい言葉がメディアを賑わせています。

中国の知的財産権侵害を理由に、中国からの輸入品500億ドル分の品目に対して関税をかけるとアメリカが主張すれば、中国も同等の報復関税をかけると応酬しています。

両国ともに7月6日の発動を予定しており、世界経済が減退に向かうとの懸念が高まっています。

 

2018年初、アメリカの長期国債の利回りの上昇を原因とする株式市場のプチ暴落が起こりました。

それ以降、それほど影響を受けなかった一部ハイテク銘柄が牽引役となり主要株価指数は回復しつつあるものの、依然として不安定な相場状況が続いています。

この不穏な株式市場の様子は、米中の動きを注視する投資家の様子と無関係ではありません。

 

個人投資家の皆さまにおかれましては、トランプ勘弁してくれよ〜という思いを持っておられると思います。

 

 

中国という脅威への共通認識

ただ、これ、必ずしも長期的な世界の経済秩序にマイナスの影響を及ぼすかというと、そうとも言い切れないと思います。

 

先日のG7では、トランプ大統領の保護貿易主義的な主張により、自由と民主主義の価値観を共有する先進各国の間にもついに溝が生まれ始めたと思われました。しかし、G7での共同宣言には、具体的な国名はないものの、明らかに覇権主義的な傾向を強める中国の不公正な貿易慣行に対抗していく旨が謳われています。具体的には、不当な知的財産への侵害、中国共産党による外資系企業への干渉、鉄鋼の過剰生産問題などです。

このような問題に対処すべく行動するということを各国で共有しています。

決して、「アメリカ対その他」の構図ではありません。

 

 

中国に逆らえない現状

中国は14億人もの内需を抱え、世界各国にとって無視できないあまりにも大きい市場を形成しています。

先日、陸マイラーの皆さまにとっても関心のある話題として、航空会社が使用する「台湾」という呼称を、「中国台湾」とするように求めたとのニュースがありました。

アメリカは反発し、米系の航空会社には従わないよう通達していますが、ヨーロッパや日本のANA、JALも中国向けホームページなどでは「中国台湾」とすることを決めています。

無理からぬことです。

一民間企業が、中国の市場から締め出されることのダメージは相当なものです。

このように、中国は経済を人質に政治的な恫喝をもおこなっています。

米中で世界全体のGDPの25%を占めている現状では、アメリカのみが中国に屈することなく対抗できる力を持っています。

(余計とも言える)正義と自由を信奉するアメリカが、ついに動き出したといったところでしょうか。

 

 

アメリカファーストではない

今回の米中貿易戦争を、アメリカの、「アメリカファースト」に基づいた行動の結果として非難することは、現在の世界貿易の問題の本質が見えていないのではないでしょうか。

これまで述べてきたストーリーに沿って考えると、同盟国や友好国に対しても関税措置をとることは、あからさまに中国のみに敵意を向けることによる決定的な米中対立を避ける上で必要な措置であるとも考えられます。

 

投資家にとって、目先の利益を追求することも必要ですが、ぼくたちのような長期投資家にとって、望むべきは20年30年後の利益です。

その時、世界が中国の不公正でいびつな貿易慣行に屈していることなく、より自由で規制のない経済体制のもとで繁栄を享受することができているのが望ましいです。

だから、アメリカの行動にぼくは賛成です。

このまま、なぁなぁで中国の覇権が強まっていくことこそ、脅威だと思います。

それでは。