ダウ平均は株価修正単純平均指数。除数って何?詳しく解説!
エコゴリです。
ダウダウ言ってて、ダウって何?って聞かれた時に最低限答えられるべき内容です。
ダウ平均とは
ダウ平均とは、チャールズ・ダウによって19世紀後半に考案された株価指数です。
正式名称をダウ ジョーンズ工業株平均(Dow Jones Industrial Average)と言います。
厳密には、ダウ指数にはほかにも種類はあるのですが、ニュースなどで1番耳にする「NYダウ」は、このことを言っています。
世界で最も有名な株価指数と言っても過言ではありません。
ダウ平均は、構成銘柄の株価合計を銘柄数で割った株価単純平均指数です。
といいつつ、現在は銘柄数ではなく、除数で割ることで計算します。
※後ほど解説します。この除数が「修正」に当たります。
ダウ平均は全30企業で構成され、
全てがアメリカの大企業です。
除数とは
指数の構成銘柄に株式分割のような権利落ちや減資、銘柄入れ替えなどがあると、株価が大きく変動することがあります。その影響を避けるために使われる数字が除数です。
このままだと非常に分かりづらいので、例えば、ダウ平均が2銘柄で構成されていると仮定します。
A社の株価が600ドル、B社の株価が400ドルとします。
この時、ダウ平均株価は500ドルです。
(600+400)/2=500
ところが翌日、A社が株式分割で株数が2倍になり、株価が1株あたり半分の300ドルになったとしましょう。
すると、ダウ平均株価は350ドルになってしまいます。
(300+400)/2=350
昨日まで500ドルだったダウ平均が、いきなり350ドルと30%も下がってしまいます。
企業の業績や経済状況に変化がないのに平均株価が大きく変化してしまっては連続性が保てませんし、とてもじゃないですが使える指数とは言えません。
そこで、除数の登場です。
2で割るとおかしくなってしまうため、新しく割る数字(除数)を算出します。
つまり、株式分割前後の数字が変化しないように調整するのです。
(600+400)/2=(300+400)/X
500=700/X
X=1.4
※Xが除数です。
これで、A社の株式分割以降は、1.4という除数で割ることになります。
これは、銘柄の入れ替えの場合に当てはめても同じことです。
A社の代わりに株価が300ドルのC社が新たに組み入れられた、と考えれば同じ計算が成り立ちます。
もちろん、実際に除数はダウ平均の長い歴史の中で数多くの銘柄入替などを経て随時調整され続けています。
2018年6月4日時点のダウ平均の除数(divisor)は以下の通りです。
0.14523396877348
※WSJ英語版ホームページより。
株価単純平均の特長
ダウ平均の算出の仕組みが分かったところで、株価単純平均指数の特長を説明します。
最大の特徴は、以下です。
・組み入れ銘柄の株式の価値を表す時価総額の大小に関係なく、「株価」そのものが高い銘柄の動向に左右される。
当たり前ですよね。株価の合計の平均ですから、株価の大きい銘柄の株価が大きく動けば、指数も大きく動きます。
現在、ダウ平均を構成する企業は30社”しか”ありません。
世界で最も注目を集める株価指数の構成銘柄が30社だけというのは、驚くべきことではないでしょうか。
その上、株価の高い銘柄の動向に大きく影響を受けるため、指数とはいえかなりボラティリティは高くなります。
それでは、具体的にどの企業の株価がダウ平均に影響を及ぼすのでしょうか。
ダウ平均の構成銘柄
2018年6月4日時点の構成銘柄の情報は、以下の通りです。
ヤフーファイナンスから情報を頂いたのですが、スリーエムやビザの業種がちょっとよく分からないことになっているような気がしますが。(笑)
この中で、株価が飛び抜けて高いのはボーイング(BA)ですね。
現在の株価は360ドル超と、一番株価が低いゼネラル エレクトリック(GE)の13.71ドルと比較すると20倍以上違います。
しかし、企業の売上高を見ると、BAが2017年度が10兆円強であったのに対し、GEは13兆4千億円です。
このように、企業の規模としてはGEの方が大きいにも関わらず、ダウ平均に与える影響はBAの方が圧倒的に大きいです。
その他にも、ゴールドマン サックス、スリーエム、ユナイテッドヘルス グループ、アップル、ホーム デポ、マクドナルドといった企業の株価の影響が大きいことが分かります。
お時間があれば、実際に構成企業の株価を全て足して除数で割ると現在のダウ平均株価になるはずですので、試してみてください。
最後に
ダウ平均は、紙と鉛筆しかなかった時代から存在する指数ですので、とてもシンプルに計算できます。
構成銘柄数も非常に少ないですが、どの企業もアメリカどころか、世界的に超有名な企業ばかりです。
それを考えると、米国株とダウ平均をかなり身近に感じるようになったのは、僕だけではないはずです。
それでは。